第32回

質蔵扉について

◆質蔵扉とは

日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会では、質蔵扉との分類や明確な規定はされておりません。

質屋業界の解釈であり、我々の業界の分類ではありません。

各都道府県の質蔵の許可を取得できた製品が質蔵扉となります。

我々の業界で質蔵扉として納品する場合は、書庫室扉や金庫室扉を質店仕様で納品される事が多いです。

金庫室扉を取り扱っている会社に『質店仕様の扉』と問い合わせれば、取り扱っていると思います。

 

◆質蔵の規定について

質蔵への規定は、各都道府県によって違う場合があります。

お客様に調べて頂き、その指示に従い製作する事になります。

質蔵扉として納入実績があるからと言って、審査に通るわけではありません。

質店仕様の製品は許可が、下りる事を保証するものではありません。

注意が必要です。

 

◆質店仕様の違い

質店仕様と量産品の書庫室扉や金庫室扉との違いの例です。

・防虫網付きの質店仕様の内扉格子戸。

・場合によってはネズミ返し。

以上のような違いがあります。

 

◆当社での質蔵扉と取扱い

当社では、施主様からの特注製品のみ取り扱いとなります。

他社で調達できる製品の製造は行っておりません。

設計から行う受注生産の製品のみの対応となります。

【特別なサイズ】【両開きの扉】【特殊な塗装色】などを特注品としております。

当社では、会員制を設けております。

特注製品のお取引は、特別会員様のみとなりますのでご了承ください。

 

◆お見積もりについて

当社製品は、受注生産です。

受注生産なのでお客様のある程度のご要望が分からないとお見積りが出来ません。

当社のホームページから要望確認表というものを印刷できるように成っております。

要望確認表は質問に記入して頂き、製品の条件を明確にする為の問診票です。

要望確認表の条件でお見積りをする事が出来ます。

条件の決め方の詳細は、以下のリンクの【新しい質蔵扉の決め方】の記事を参照ください。

 

◆品質試験

場合によって試作品の製作を行い、品質試験の実施が必要になる場合があります。

 

◆当社が適していない場合

以下の①と②の理由から市販製品に合わせて、建物を設計して頂く事をお願いしております。

他社の既製品で済む場合は、他社製品で済まして頂くようお願いしております。

①【短納期】をお求めの方

以下のような理由から短納期での納入には向きません。

・特注製品は設計から始めます。

・細かい打ち合わせが必要です。

納期は量産品よりも長く掛かると想定して下さい。

②【低コスト】をお求めの方

以下のような理由からコストパフォーマンスは高くありません。

量産製品と同等製品を当社で製造した場合は割高になります。

性能を下げても市販品の価格を下回る事はありません。

量産品は、1つの図面と性能試験で量産します。

その費用が生産台数分だけ分散してコストを下げています。

特注品は、1つの図面と性能試験で少数生産になります。

その費用の分散が少なく、割高になります。

逆に一般に流通している製品の条件から離れる程、特殊性が増して市販品よりも割高になると考えて下さい。

特殊な事情でどうしようもなく、割高なコストが見合う場合に当社が適しております。

 

◆納入事例

以下のリンクを参照下さい。

①【両開き質蔵扉納入事例

②【引き質蔵扉の製作事例