第78回

見積もり請求の前の製品条件の絞り込み

◆はじめに

見積もり請求の前に行って頂きたい事があります。

欲しい製品の条件を明確にする事です。

今回は、条件の絞り込みについての話題です。

 

◆製品条件の絞り込みの効果

製品条件を具体化する事は、お客様が本当に満足する製品を手に入れるには必須です。

条件が具体化されると同じ条件で各社製品の比較が容易になります。

各製品の細かい特徴と価格を比較すればよくなります。

金庫の業界は分かり難いので、その方がお客様に分かりやすいと我々は考えます。

 

◆何を収納したいですか?

何を収納するかによって扉の性能が分類されております。

収納物の耐久温度に合った性能を選択する必要があります。

日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会では、収納物によって以下のように分類されております。

①金庫室扉と書庫室扉:債権や証券や重要書類など用紙などの保管

②収蔵庫室扉:美術品や歴史的資料などの保管

③データ保管庫室扉:メディア媒体などの保管

詳細は、【耐火性能について】を参照ください。

 

◆開閉の方式

開閉の方式には、以下のような方式があります。

1:片外開き

2:片内開き

3:両外開き ・

4:両内開き

5:片引き

6:両引き

など

 

◆大きさはどの位ですか?

収納物によって製品の大きさが変わります。

扉の厚さは、性能により決まります。

一般的には、お客様側で決定する事ではありません。

必要な製品の寸法は、以下のようになります。

1:有効寸法での幅と高さ

製品の幅と高さの寸法が必要です。

製品の幅や高さは、扉の枠側の有効寸法で決められた方が良いと思います。

扉枠の有効寸法とは、扉の枠の一番狭い寸法の事です。

2:扉枠の製作厚

扉枠の製作厚は、枠の厚さの一番長い部分です。

製作厚は、壁の厚さによって変化します。

扉枠の製作厚が分からない場合は、壁厚を伝えて頂いても良いと思います。

 

◆耐火性能はどの位必要ですか?

火災時に既定の温度で庫内を何度で、どの位の時間を保てるかが耐火性能です。

火災時に収納物をどの位の時間守りたいか決める必要があります。

日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会の規定では、30分、1・2・3・4時間の規定が設けられています。

詳細は、日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会の耐火性能のページを参照ください。

市場で一般的なのは、一般用紙用の耐火時間で2時間と4時間です。

それ以外は、特殊になると考えて下さい。

 

◆防盗性能はどの位必要ですか?

既定の工具で既定の時間と条件を保てるかが防盗性能です。

金庫の破壊行為に対して、どの位の時間を守る必要があるのか把握する必要があります。

金庫以外の色々な事柄で変わってきます。

市場に出回っている以外は、かなり特殊です。

性能試験の実施などでかなり高額になります。

特別な事情がない限りは、市販と同じ性能にする事をお勧めします。

詳細は、日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会の防盗性能のページを参照ください。

 

 

◆内扉(ないひ)は必要ですか?

内扉とは、主扉の内側に設置する扉です。

内扉の種類は以下の通りです。

1:格子戸

2:防虫網付き質店仕様格子戸

3:アクリル付き格子戸

4:自動開閉格子戸

5:耐火内扉

など

 

◆塗料の種類

塗装を行う製品の場合、製品の色や艶や表面の仕上がりを決めます。

量産品は、生産ラインの性質上で基本色が決まっているのが一般的です。

当社の場合は、お客様に決定して頂くのが基本です。

塗装にあまりこだわりのない方は、市販品が有効的です。

 

◆その他の装飾

デザイン性が必要かどうかです。

必要であれば、お客様のイメージするデザインをお伝えになると良いと思います。

大手に依頼した場合は、コストが高くなる可能性の想定は必要です。

装飾の例

1:家紋の金具

2:蒔絵

3:螺鈿

4:符号(ダイヤル)錠、閂(かんぬき)などの金物のメッキの色の変更。

など

 

◆おわりに

いかがでしたでしょうか?

当社ホームページには、要望確認表という問診票が印刷出来る様になっております。

そちらを印刷して頂き、条件を絞り込んで役立てて頂ければと思います。

要望確認表はこちらから

不明な点がございましたら、気軽にご相談ください。

お問い合わせページへ

 

当記事がお役に立てれば幸いです。