第2回

鍵の複製について

◆はじめに

皆さんは、普段使用している鍵から複製した鍵を作成していませんか?

『作ったことがある』『作ろうと思っている』という方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

◆鍵の摩耗

鍵は、長い年月使用していると少しずつ磨耗します。

その結果、元々の鍵山の『谷』の形状よりもすり減った状態になります。

錠前内部の機構が揃わなくなります。

進行すると、錠前の正常な動作に支障をきたします。

 

◆摩耗した鍵からの複製

普段使用している鍵から複製を作ると摩耗した複製を作る事になります。

鍵自体は新しくなりますが、鍵山の『谷』の形状はすり減った状態を複製する事になります。

新品の鍵になったとは言えません。

複製した鍵自体は、新しいのに解錠出来ない状況が発生する可能性があります。

 

◆対策

その対策として、鍵番号から鍵を作成する事をお勧めします。

鍵番号とは、その鍵を特定するための識別番号です。

製造元に伝えれば鍵山の谷の状態が新しい鍵を製作出来ます。

製造元に鍵番号を伝えることで、鍵山の谷が新品の状態で再現された鍵を製作できます。

これこそが、本当の意味での『新しい鍵』です。

 

◆注意点

以下の行為は、製造元からの保証の対象外となります。

注意して運用を行ってください。

1:製造元以外で鍵の複製。

2:製造元以外で複製を行った鍵の使用。

 

◆製造元がなくなった場合

書庫室扉や置き金庫などは、その会社独自の錠前を装備されている場合があります。

書庫室扉や置き金庫は、長年使用されることが多くあります。

製造元が既に存在しないケースも珍しくありません。

そのような場合、製造元に依頼して鍵番号からの新規作成ができなくなる可能性があります。

錠前を使い始める最初の段階で保管用の鍵を用意する事をお勧めしています。

鍵番号から作成した『保管用の鍵』と、実際に使用する鍵を必要本数そろえ、運用を開始します。

保管用の鍵は、使う事はありません。

鍵の形状を保存する為の鍵です。

 

◆鍵の保管の注意

鍵を保管する際には、必ず注意して頂きたい事があります。

書庫室扉や置き金庫の保管用の鍵をその製品の中に保管しないことです。

有事の際にも保管用の鍵を使用する可能性があります。

必ず、保管用の鍵は書庫室扉・置き金庫の外に保管し、管理してください。

 

◆おわりに

いかがでしたでしょうか?

日常では、意外と意識する事の少ない 『鍵の複製』の内容でした。

この知識は金庫だけでなく、玄関ドアなど一般的な鍵にも役立ちます。

適切な運用を行うことで、より一層、末永く使って頂けると思います。

鍵の複製や運用でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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