第3回

砂入れの話

◆はじめに

現代の金庫の業界の人は耐火材の入っている部分を耐火層や耐火材充填部などと言っているようです。

その為、我々も普段はそう呼ぶように心がけています。

意識をしていても、無意識で砂入れと呼んでしまい通じない時があります。

明治時代頃から戦後位までの初期の金庫には耐火材に砂が入っている事があります。

砂を入れる場所だったのでその名残で『砂入れ』と呼ぶことが我々に残っています。

 

◆耐火材について

戦後から昭和三十年代頃までは珪藻土(ケイソウド:藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物)や石綿などが充填されるように成ることを経て、現代のような気泡コンクリートが耐火材として充填される事が主流になりました。

石綿が使用されている場合は注意が必要です。

石綿が使用されている扉は製造されてから年月がかなり経過している為、これから建物の新築の際に廃棄される事が多くなると思います。

その際に注意したい事があります。

石綿はアスベストとも呼ばれ建築作業員の健康被害の訴訟で話題になっています。

現在では取扱いには厳しい規定が設けられています。

その事から廃棄に手間が掛かる可能性があります。

詳しくはまたの別の機会にお伝えさせて頂きますがそういった視点から見てもご自身の所有されている製品にどのような耐火材が使用されているか注目してみるのも良いかもしれません。

 

◆おわりに

話は少しそれましたが『砂入れ』という古い呼び方を知らない人が増えるのは歴史が風化してしまうようで寂しく感じております。

どの業界もそのような風潮が有るので仕方がない事なのかもしれません。