第14回

符号錠を使用しない危険性

◆はじめに

符号錠(ダイヤル錠)を使用せずに、鍵で操作する錠前だけで使用していませんか?

我々が修理対応の中で多いと感じる内容は、【符号錠(ダイヤル錠)を開けたまま鍵だけの施錠】が原因のトラブルです。

符号錠(ダイヤル錠)が回ってしまい、暗証番号が不明で呼ばれる事が多くあります。

この内容は正しい使い方をすれば発生しない現象です。

原因と対策は以下の通りです。

 

◆原因①:符号錠を使用しない

符号錠(ダイヤル錠)を通常時使用しないと暗証番号の記憶があいまいになります。

その場合、操作に不慣れで違う操作をしているのを故障と勘違いが原因の場合があります。

記録した暗証番号は正しく、我々が操作したら一回で開く事もあります。

金庫は装備された施錠装置を全て使用しないと本来の性能を発揮できません。

防盗性を著しく低下させてしまい、保管物が危険にさらされてしまう危険行為です。

 

◆原因①の対策

一番簡単な対策は、日頃から使用し操作に慣れておく事です。

どうしても購入してから慣れる事が出来ない場合、目盛りが見えにくい場合があると思います。

符号錠(ダイヤル錠)からテンキー式のボタンを押して開けるタイプの電気的な錠前に交換するのも一つの方法です。

電気的な錠前は、機械的な符号錠(ダイヤル錠)に比べると耐用年数が短い傾向があります。

その点は考慮の上で、判断して頂ければと思います。

 

◆原因②:符号錠の暗証番号を庫内に保管する

符号錠(ダイヤル錠)が回ってしまう事は、故障ではありません。

暗証番号が分かっていれば、我々が出向く事はありません。

良くある事例は、『暗証番号を記録した物はありますか』と質問すると『金庫内にある』事が多く見られます。

 

◆原因②の対策

簡単です。

暗証番号を記録した物とスペアーキーは、開ける対象の金庫内で保管しない事です。

 

◆原因③:符号錠(ダイヤル錠)をテープで固定する

一般的に使用するテープの粘着部分は劣化します。

粘着力が無くなった時に回してしまう事故が発生します。

テープで固定した場合は、『テープで固定しているから動かない』という安心感から暗証番号の記録と記憶も全くない場合が多く見られます。

ひとめで符号錠が使用していない事が分かってしまいます。

絶対に行わないで下さい。

 

◆原因③の対策

符号錠(ダイヤル錠)を使用する事です。

テープの固定状態で暗証番号不明は、専門家であれば符号錠(ダイヤル錠)を見て調べることが出来ます。

注意したい事があります。

使用していない場合は潤滑油などが固まっているなど、メンテナンスが必要な場合があります。

そのまま使い続けると摩耗の原因になります。

記録してある暗証番号が違う可能性、記憶があいまいな場合があります。

使用し始める際は、万が一の為に操作の確認とメンテナスを兼ねて専門家に立ち会ってもらう事をお勧めします。

開かなくなった場合、それ以上に料金がかかると予想されます。

そのような事を考慮の上で、判断して頂ければともいます。

 

◆おわりに

我々の修理サービスをお客様が利用しない状態は、お客様が安全で良い状態です。

修理をする側が言うのも変な話ですが、修理の作業が無い事は良い事だと我々は思っております。

金庫の修理対応は安い物ではありません。

金庫が開かない事は心理的負担も大きいと思います。

正しい使い方で予防して頂ければと思います。