◆はじめに
現代の金庫業界では、耐火材が充填されている部分を「耐火層」や「耐火材充填部」と呼ぶのが一般的です。

◆耐火材の変化の経緯
戦後から昭和三十年代頃までは、珪藻土(ケイソウド:藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物)や石綿などが充填されるように成ることを経て、 現在主流の気泡コンクリートが耐火材として使用されるようになりました。
【耐火材について】の記事も参考になさってください。
◆石綿の注意点
特に、石綿が使用されている場合は注意が必要です。
石綿が使われている金庫室扉や金庫は製造から長い年月が経過しているため、今後、建物の新築や移転の際に廃棄されるケースが増えると考えられます。
その際に注意したい事があります。
石綿は建築作業員の健康被害の訴訟で大きく取り上げられ、現在では厳しい取り扱い規制が設けられています。
そのため、適切な処理が必要となり、廃棄に手間や費用がかかる可能性があります。
詳しい内容については、また別の機会にお伝えしますが、こうした観点からも、ご自身が所有されている金庫や扉にどのような耐火材が使用されているのか注目してみることをおすすめします。
◆おわりに
話がやや逸れましたが、「砂入れ」という古い呼び方を知らない人が増えていくことに、歴史が薄れてしまうような寂しさを感じています。
どの業界にも同じような風潮があり、避けがたいことではありますが、昔の技術の足跡を知ることも大切だと感じています。
金庫製品の取り扱いでは、昔の知識も含めて判断を求められる場合があります。
古い金庫でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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