第17回

金庫の持ち去り対策 基礎編

◆防盗金庫の弱点

どんなに丈夫な置き金庫にも弱点があります。

それは置き金庫本体の【持ち去り】です。

持ち込む事が出来るのであれば、持ち去る事も可能です。

日本では重量が60~70Kg程度の家庭用金庫の【持ち去り】の被害の事例は数多くあります。

事例としては約2千万円近くの現金を収納した、家庭用金庫と思われる金庫が【持ち去り】の被害に遭ったニュースを見た事があります。

防盗金庫は基本的に1トン近くある製品もあります。

『そんな重い物は持ち去れないだろう』と思われる方もいると思います。

それは日本人の感覚です。

外国の規格に準じた防盗金庫は、持ち去り防止の対策が出来る構造になっているのが一般的です。

日本では持ち去られるとは思えない重い金庫であっても、外国では持ち去る事件が発生しているのだと思います。

現在の日本では、『そんな重い物は持ち去れないだろう』で済むかもしれません。

昔から考えたら、今はとても物騒に見えると思います。

現在よりも治安レベルが低下した場合に『そんな重い物は持ち去れないだろう』と言えるかを考えてみて下さい。

犯罪者は『~だろう』を見ていて、『~だろう』が被害に遭う原因です。

 

◆外国と日本の金庫の下部分の対比

先ほど『外国では持ち去り防止の対策が出来る構造になっている』と言いました。

日本の金庫は【足車】という車が付いている場合があります。

それに対して外国の製品は、【足車】はなく下の参考図のようになっています。

建物の床に穴を開ける工事を行い、金庫内の底面の穴から金具で固定出来る構造になっています。

外側から固定金具に触れる事が出来ません。

金具を壊して持ち去る事が難しく成ります。

金庫の違いが分からない方は、そのような視点から製品選択を行うのも良いと思います。

 

◆防盗金庫以外の金庫の固定の注意

耐バールこじ開け性能がない耐火金庫を固定すると、逆にバールでこじ開けやすくなるので注意が必要です。

既存の置き金庫を固定する場合は、固定が効果を発揮する製品なのかを判断する必要があります

【金庫の固定】=【絶対に安全になる】ではない事を考慮して下さい。

必ず専門の技術者にご相談するのが間違えないと思います。

 

次回は応用編をご紹介させて頂きますのでぜひ参考にしてください。