第164回

防盗試験TS-15合格の差

◆はじめに

今回は、防盗性能に関するお話です。

金庫は、見た目では違いが分かり難いという方も多いと思います。

見た目では分かり難いかもしれませんが、防盗性能があるかで説明すると違いが良く分かると思います。

バールを中心にした破壊テストである、一番簡易的な防盗試験のTS-15が防盗性能の有無の境目です。

そこで防盗試験TS-15を想定して設計している製品との差をご紹介したいと思います。

 

◆TS-15を想定した設計された製品との差

結論から言いますとTS-15を想定されていない設計だと以下の画像のようになります。

以上の画像が防盗性能を有するかの差です。

分かりやすいと思います。

この状況になるまで、5分はかからないと思います。

画像の状況としては、バールでこじり開けを行った結果、以下のようになりました。

1:閂(カンヌキ)部分の鋼板が割けてしまった。

2:閂に繋がるはしり板が変形した。

3:1と2の現象により閂が利かなくなって、扉が開いてしまった。

 

◆バールを想定する理由

バールを想定する理由は以下のような理由です。

①バールは、持ち運びが容易。

②バールは、簡単に入手できる。

③バールでこじり開けの際、大きな音がしない。

④短時間で開く。

 

◆防盗金庫の見分け方

防盗金庫の見分け方は、購入時に以下のマークがあるかを基準にされるのが良いと思います。

以上のマークは、防盗試験に合格した事を表すマークです。

 

◆おわりに

いかがでしたでしょうか?

家庭金庫とし販売されている物は、防盗試験TS-15を想定しない設計の物が多くあります。

お客様の認識は、『金庫は、盗難から守れる』という方が多いと思います。

しかし、業界の金庫の定義は、『耐火性能を有するか』です。

そのあたりに業界とお客様との感覚のずれがあります。

当社の感覚では、TS-15を想定していない設計の製品は、『耐火庫』と認識しております。

本来は、業界が『耐火庫』と改めるのが分かりやすいと思います。

しかし、業界の中には『耐火庫』になる事の都合が悪い会社があるのでしょう。

防盗試験TS-15を合格していない製品は『耐火庫』で『金庫ではない』と変換して頂くのが良いと思います。

盗難から守る用途の場合は、必ず防盗試験TS-15以上の製品を選ばれることをお勧めします。

今回の記事を役立てて頂ければ幸いです。