第23回

符号錠が開かない時の処置の種類

◆錠前のみを破壊して扉を開放する方法

錠前のみを破壊して扉を開放後、新しい錠前に交換します。

我々の業界では、特殊な場合以外はこの処置方法が選択されます。

【効果を発揮する場合】

・即日中の解決をご希望の場合。

・作業時間をはっきりさせたい場合。

・錠前が故障していると判断された場合。

 正常な操作で開ける事が出来ないので、この手法が選択されます。

【採用できない場合】

・事情により製品を傷つける事が出来ない場合。

・錠前のみを破壊しても開放できない対策製品の場合。

・以下の画像のような一部の種類の符号錠(ダイヤル錠)である場合。

 

◆オートダイヤラーにより非破壊にて扉を開放する方法

オートダイヤラーとは、基本的にコンピュータの自動制御の操作で暗証番号を合わせて行く機械です。

【効果を発揮する場合】

・事情により製品を傷つける事が出来ない場合。

・金庫本体が錠前のみを破壊しても、開放できない製品の場合(錠前が正常な場合のみ)。

・一部の種類の特殊な符号錠(ダイヤル錠)である場合(錠前が正常な場合のみ)。

【採用できない場合】

 ・オートダイヤラーへ対策が施されている符号錠(ダイヤル錠)である場合。

 ・符号錠(ダイヤル錠)が故障している場合。

 ・その他の対応していない錠前の場合。

 

◆メーカーから壁に穴を開ける事を提案された場合

金庫室扉等の扉製品の場合に発生する事です。

特殊な錠前の場合は、メーカーから『壁に穴を開けないと開ける事は出来ない』と返答がある場合があります。

錠前自体が正常で番号が分からなくなった場合であれば、オートダイヤラーで対応が可能な可能性があります。

その場合は、価格的に現実的です。

『壁に穴を開ける対応』は最後の手段と考え、別の方法は無いかを別の会社に問い合わせする事をお勧めします。

時間的な制限がある場合など、壁に穴を開ける事が現実的である場合もあります。

まずは、色々な意見を聞く事をお勧めします。

 

◆錠前のみを破壊しても開放できない対策製品への対応

この製品は、錠前のみの破壊での開放を試みると余計に開かなくなります。

【錠前が故障状態ではない場合の対策】

①製品本体にメーカー機密の分部へ穴を開けて装置の作動を妨げて開放を行う。

この作業を行うと穴の開いた製品は性能を失います。

その場合は、金庫の買い替え又は廃棄となります。

②錠前が故障状態ではなく緊急ではない場合は、オートダイヤラーでの対応を検討する。

金庫を買い替えや廃棄する事はなくなります。

金庫を買い変える事を考えれば経済的です。

状況が許せば現実的な選択と言えます。

 

◆おわりに

メーカー側と修理を専門とする技術者では意見が異なる場合があります。

複数の意見を聞いた上で、多角的な視点での判断をお勧めしております。

有事が起こる前にこの記事を参考にして頂き、冷静に対応できるように活用して頂ければ幸いです。