第20回

教会の思い出話

今回は思い出話の記事にいたします。

20年近く前に都心の真ん中にあるカトリックの教会に仕事で出向いた事があります。

現在は改築されてしまいましたが当時は、キリスト教の古い教会でした。

都会の真ん中なのですが外国にいるようで不思議な感じでした。

ステンレス製のお布施を入れる箱が破壊されてしまったので、弊社の工場に持ち込んでの修理でした。

我々の業界は【盗難】の脅威にさらされる、賽銭箱やお布施を入れる箱を特注で製作依頼を受ける事もあります。

お布施の盗難に遭遇するのは、気分が良くないものです。

製品を工場へ持ち込んで、修理作業を開始しようとした時でした。

投入口から取り出せないようにする部分に封筒に入ったお布施が、挟まっているのを発見しました。

すぐに教会にお布施を返却しに行きました。

神父さんが欧米の方でした。

日本人的には当たり前ですが、封筒に入った紙幣のお布施を正直に返却しに来る感覚に驚いていたようです。

お布施を返却した行為が気に入られたようで『次回、来る時にぜひご家族といらっしゃって下さい』と言われ、納品時に家族と一緒に行った思い出があります。

昔の年配の方に【お天道様は見ている】なんて言われた覚えはないでしょうか。

我が家では、【お天道様と自分の良心は見ている】と少し変わった教わり方をしました。

一般的ではありませんが【自分の善の心も見ている】とは日本らしいですね。

最近では、そのような言葉を聞く機会が減ったように感じますね。

このような【日本人の良い文化】を忘れないようにしたいものですね。