第18回

金庫の持ち去り対策 応用編

◆はじめに

前回は、一般的な手法をお伝えしました。

前回に引き続き、金庫の持ち去り対策の特殊な場合に対応する応用編です。

 

◆条件的に建物へ穴を開ける事が出来ない場合の対策

置き金庫の固定は、基本的に建物に穴を開けて金具で固定します。

建物の条件によっては建物に穴を開ける事が、出来ない場合もあります。

この状況では、製品に設計段階から固定する仕組みがあっても固定が出来ません。

その場合の対処法です。

設置する部屋の入口の幅よりも大きい厚い鋼板に、外側から固定部分を触れられない手法を選択して固定します。

図のような位置に設置すると横倒しを防ぐ効果もあります。

金庫と鋼板を分離しないと部屋から出す事が出来ません。

 

◆固定する基本設計になっていないタイプの場合

製品によっては、金庫を固定する基本設計になっていないタイプが存在します。

既存の金庫が、そのようなタイプの場合の対処法です。

この場合は、金庫を厚い鋼板で出来たカバーで覆ってしまいます。

覆ったカバーを破壊しなければ、金庫を持ち去る事が出来なくなります。

カバーは丈夫なので、金庫に辿り着くまで時間がかかります。

犯行時間を延ばす抑止力としての効果、金庫本体を見えないようにする効果、デザイン性を持たす事も出来ます。

このような金庫を覆うカバーは市販しておりません。

大手に依頼しても弊社のような会社で特注生産となるような、あまり知られていない手法です。

 

◆おわりに

その他にも状況に応じた様々な手法があります。

金庫の持ち去り対策でお困りの際は、専門家にご相談下さい。

金庫は、頻繁に買い換える物ではありません。

今の常識で考えるのではなく、次の買い替えのタイミングの治安に対応できる性能の幅のある製品の選び方をお勧めします。