◆はじめに
この日本は、火災で甚大な被害が出る国です。
今回は、置き金庫の耐火性能のお話をしたいと思います。
◆庫内の温度
一般的に金庫は、一般用紙を火災から守れる温度で庫内を保ちます。
火災時の一般用紙を保護する金庫内は、どのような状態になっていると思いますか?
置き金庫と金庫設備では試験の条件が多少は異なりますが、庫内が177度以下で一定時間を保てれば試験合格となります。
金庫や金庫設備は、耐火材の水分が蒸発する際に温度が下がる放射冷却を利用します。
その為、庫内は高湿度となります。
一般用紙を保護する設備では、それよりも低温・低湿度で保護すべき物は保管できません。
用途に応じた保管設備の耐火試験の規定が設けられています。
収納物に合った保管設備を選択する必要があります。
◆収納物の耐熱温度
収納物の耐熱温度については、【収納物の変質する温度の目安】の記事を参照下さい。
◆おわりに
製品を購入してしまってから今回ご紹介した事実に気が付かれた場合の対策は、またの機会にお話しさせて頂こうと思います。
現在の置き金庫や金庫室・書庫室設備の技術は、災害時の被害の経験の積み上げと言っても過言ではありません。
災害は忘れたころにやって来ると言います。
収納物の性質を正しく理解して、正しい保管設備を選択して頂く事をお願いします。
今までの辛い経験の積み上げを生かして、火災から収納物を守って頂ければと思います。