第103回

材質の分からない溶接依頼

社工場は、製品の製造の為に溶接の設備を保有しております。

その為、溶接の知識のない方から溶接のみを依頼される場合があります。

必ず加工対象の母材の材質をお尋ねします。

『おそらく○○』『分からない』など返答があります。

その様な場合のお話です。

 

◆当社の溶接設備

溶接と言っても色々あります。

当社の溶接設備は以下の通りです。

1:ガス溶接

2:被膜アーク溶接

3:TIG溶接

溶接の対象によって使い分けます。

溶接機があるからと言って、何でも溶接が出来る訳ではありません。

 

◆溶接を行う母材

当社の溶接の主体は、被膜アーク溶接で普通鋼を溶接する事です。

普通鋼よりは頻繁ではありませんが、ステンレス鋼も行います。

その他の溶接は、取り扱っておりません。

金庫を製作するために溶接を取り扱っております。

当社は、溶接を主体に取り扱う会社ではありません。

 

◆溶接対象の素材が分からない場合

『おそらく○○』『分からない』など母材が分からない場合があります。

その場合は、適した溶接方法を選択する事が出来ません。

適した溶接を選択しないと以下のようになります。

1:溶接が出来ない。

2:対象が溶けていても接合できていない。

溶接は溶けていれば、良い訳ではありません。

接合されていなければ、すぐに取れてしまいます。

母材が分からない場合は、依頼をお受けする事が出来ません。

 

◆溶接を行う責任

溶接は、溶接個所が破断すると人命が関わる作業です。

溶接はとても品質に神経質な業界です

お客様の中には『くっ付いていれば、良いから溶接してほしい』と言われる方がいます。

どのような溶接であっても、いい加減な品質を工場から出す事は当社の信用問題にかかわります。

お客さんが了承されても、しっかりと接合できていない依頼はお受けできません。